『生まれつき美人に見せる』———メイクアップ編
吉川康雄さんの著書『生まれつき美人に見せる』(ダイヤモンド社)から、メイクアップについてのお話を。
ファンデーションについての「肌には本来粉を出す機能はない」という意味の言葉の次に、ぐっときたのはメイクについてのこの言葉でした。
「基本的に、ブスな部分は放っておきましょう」
なぜならば「ブス(な部分)はアクセントになるから」。
えええーっ。
それならわたしの顔はアクセントだらけ?!
放っておくところばっかりじゃない?!
きれいなモデルさんばっかりメイクしている男の人のいうことはこれだから嫌だわ!
まあまあまあ。
吉川さんはそんなことはいっていません。
美人100%の人はいなくて、誰もが美人の部分とブスの部分の混じり合った顔をしている。
だから美人の部分を育てて、ブスの部分は薄くして、アンバランスさでとてつもない魅力を出そう、というのが彼の主張なのです。
番長の場合はですね。
目がブスですね。
奥二重で小さい上に左が大きく右が小さい。
それで、あくまでも自分の顔のなかで、という意味ですけれど(ぐりぐりと強調)ほっぺと唇は美人部分(ほんとに当社内での話で)です。
つまり、メイクするときには、チークと口紅を丁寧につけ、血色をよく生き生きと見せる。
上唇が下唇に比べて薄いのを補正するために、上をライナーでオーバー気味に丸みをつけて描いています。
それで、目は放っておく。
とはいえ、ほんとになんにもしないとねぼけ眼ですから、これも吉川さんがいうように、アイシャドウベースで瞼にツヤを出してから、睫毛の間だけアイライナーで埋めて、あとはマスカラ。
睫毛だけは長くて目のなかでは美人部分なので、マスカラは忘れないようにしています。
ファンデーションまでで肌にツヤのある状態の上にすれば、これだけで十分明るい表情になります。
秋の新色で、青みのピンクのチークが発売されたのを機に、それまでのピンクベージュから切り替えてみました。
固形の状態で見ると、色紙のようなはっきりした色で、これをつけたらどうなることかと思うのですが、スポンジでぽんぽんしてつけるとじつはとても自然。
内側から血色が透けて上気しているような頬になります。
そして夜になって鏡を見ると、なんだかこのまま寝てしまっても構わないような気がするのです。
つまり、お化粧をしているという感覚がなくなる色。
チークも練りで粉っぽさがないということにもよると思います。
いわゆる「美人」を目指すのではなく、自分自身の顔を最大限に魅力的にする。
僭越ながら、わたしが文章を書くときに考えていることと重なります。
どこにあるのかないのかわからない「美しい」文章と自分の文章を比べたりしないで、自分の目の前にある自分自身の文章を、自分らしく書く。
メイクも自分の顔以外にはしようと思ってもできないものなのだから、自分の顔としてかわいく美しく、チャーミングになるように。
そう思って鏡に向かうと、寝不足の朝でも、メイクしているうちにだんだん楽しくなってきます。
そして、メイクで生き生きした自分にほほえむことができれば、きょうのハッピーは決まったことになるのです。